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齋藤 みお

仮想と現実を繋げる楔、

二面性を内包するモノ

私自身、仮想空間(VR)は仮想ではあるが、現実世界とは繋がっているし、そこには無限の可能性を内包していると思っています。
VRヘッドセット、ヘッドマウントディスプレイという物を通して我々人類は認識の及ばないうちに、もしかしたら別世界、別次元を覗いているかもしれない。VRに溢れる世界や作品には、陰に超次元の存在がいて、密かに現代人類を侵食し始めているかもしれない。と、普段と同じようにVRで遊んでいた時に思いついたのが始まりです。
それと直近で"繋がり"に関して考えさせられる出来事が作者に起こり、いっそのこと現実世界も巻き込んだ作品を作ろうと思ったわけです。ここでの"繋がり"は、人と人の繋がり、現実と仮想の繋がり、世界の繋がり、といった結構広義なものです。

 

この作品では、仮想空間は深層と呼ばれています。
作品のVR空間に現れる深層の神は、仮想空間における集合的無意識であり、現実世界と繋がり、仮想空間の可能性を広め、深層に取り込もうとしているのです。
現代人類の認識、仮想空間に対する知識や情報が人類全体で数えた際に足りない為に、脳内で勝手に補完され、このようなおぞましい姿となって体験者の前に現れます。
深層の神を作品を通して認知することで、その実在性は強くなる。仮想空間の可能性の侵食は、より進むのです。
そして、現実世界に鎮座する深層の住人は、作者自身が深層に取り込まれかけたために、現実世界へ迷い込み、やがて力尽き果ててしまいます。
この住人は"現実と深層が繋がってしまった"証であり、それを留める楔なのです。

 

果たして深層の神は作者に作品を作らせて現実と繋げたのか。

それとも作者が抗って作品を作ったのか。

両方とも有り得るのかもしれません。

 

現実と仮想が限りなく近づいた時、見えている景色は、感覚は、感情は、何を示すのか。同一と言えるのか。
仮想空間に対する認識が塗り替わるかもしれないきっかけになるように。
この作品に興味を持った時点でもう、始まっているのです。

 

作者の為の楔、世界の為の楔。

二面性を持つこの作品は、仮想空間の可能性が貴方を侵します。

本作品はVRChatに公開しております。詳細は以下をご覧ください。
https://vrchat.com/home/launch?worldId=wrld_abc8cb60-d465-438f-b616-b7f51c48bd54 

©2021 by コミュニケーションデザインゼミ

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